難民認定手続き迅速化、柔軟対応の基本計画発表

(15/9/15 読売新聞)

法務省は15日、難民認定手続きの迅速化などを柱とする「第5次出入国管理基本計画」を発表した。

難民認定申請の悪用防止策を明記したほか、日本の難民受け入れが少ないことに国際的批判が強いため、難民認定の可能性を広げる柔軟な対応策を盛り込んだ。

現行制度では、難民申請から半年経過すれば、申請理由がずさんでも、自動的に就労許可が得られる。このため偽装申請が横行して申請件数が急増し、審査を待つ人の数は2015年6月未現在、1万830人と、10年12月末(2876人)の4倍近くに上る。迅速に行われるべき難民認定審査に支障が生じている。

こうした実態を受け、基本計画では、「借金から逃れてきた」など難民の該当基準とほど遠い再申請者らは、本格的な審査は行わず、審査中の在留も認めない。また、申請者が仕事をしなくても生計を維持できると判断された場合などは、日本での就労を認めないことにする。

2015年09月15日17時17分 Copyright(C)The Yomiuri Shimbun