難民偽装申請、国外退去も…認定運用見直しへ

(15/9/4 読売新聞)

就労目的の「偽装申請」が横行する難民認定制度の運用を大幅に見直すとした法務省案の全容が3日、明らかになった。

現在は申請の6か月後から日本での就労が一律に許可されているが、今後は同じ理由での再申請者には許可せず、明らかに難民に該当しない理由で再申請を繰り返す悪質な申請者には国内在留も認めない。真の難民を迅速・的確に認定する仕組みも定める。同省はこの案の内容を新たな出入国管理基本計画に盛り込み、月内にも正式決定した上で、速やかに運用を変更する方針だ。

日本の難民認定制度は2010年3月の運用改正で、申請から6か月が経過すれば日本での就労が可能となった。不認定となっても異議申し立てや再申請を繰り返せば日本で働き続けられるため、就労目的の偽装申請が横行。外国人技能実習制度で来日した実習生が実習先から逃亡し、より良い労働条件を求めて難民申請するケースも相次いでおり、実習制度の形骸化の恐れも指摘されていた。

同省案ではまず、大量の偽装申請で審査が滞らないよう、「本国の借金取りから逃れてきた」など、申請理由が明らかに難民に該当しないケースは本格的な審査に入らず、簡易な審査で迅速に処理する。

2015年09月04日03時00分 Copyright(C)The Yomiuri Shimbun