支援団体:難民保護法の新設を提言

(13/6/19 毎日新聞)

20日の「世界難民の日」を前に、難民支援団体でつくる「なんみんフォーラム」は難民保護法の新設を求める政策提言をまとめた。日本は昨年の難民認定率が1%に満たず、他の先進国に比べ著しく低い。提言は出入国管理制度から難民認定手続きを切り離し審査の公正さを確保するよう求めている。

日本の難民保護は入管難民法に基づき、法務省入国管理局が担当している。「管理と保護を同じ組織が担うのは無理」「保護すべき外国人を取り締まり対象のように扱っている」との批判があった。

提言は難民保護法を制定し(1)認定制度の改善(2)法的地位の保障(3)最低限の生活保障(4)定住支援(5)公平な保護施策――の5分野について規定するよう求めた。具体的には、弁護士や通訳を付ける権利の保障▽強制送還の禁止▽教育支援や職業訓練の充実などを掲げた。

フォーラムは▽難民支援協会▽アムネスティ・インターナショナル日本▽全国難民弁護団連絡会議など15団体で構成。国内の主要支援団体による統一提言は初めて。19日にフォーラムのホームページで公表し、近く法務省や各党に提出する。フォーラムの石井宏明・副代表理事は「国際基準の制度にするためのたたき台としてほしい」と話している。

法務省などによると、昨年の難民申請者は2545人と過去最高だったが、認定は18人だけだった。【河津啓介】


難民保護法検討のための論点整理 (2013年6月 なんみんフォーラム)