ガーナ人強制送還死訴訟 国が控訴

(14/4/2 朝日新聞)

2014年4月2日00時31分

 成田空港から強制送還中のガーナ人男性(当時45)が急死したのは、東京入国管理局の職員の過剰な制圧行為が原因だとして、日本人の妻ら遺族が国に損害賠償を求めた訴訟で、国は3月31日、約500万円の支払いを命じた一審・東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

 一審で国は「死因は心臓の腫瘍(しゅよう)による不整脈で、制圧行為と因果関係はない」と主張。だが3月19日の判決は「入管職員の違法な制圧行為で窒息死した」と認定。「制圧の必要性を明らかに超えており、違法だ」と結論づけた。

 男性はアブバカル・アウドゥ・スラジュさん。2010年3月22日、複数の警備官に付き添われて飛行機に乗せられ、離陸前に死亡した。