(14/4/4 毎日新聞)
毎日新聞 2014年04月04日 地方版
東日本入国管理センター(牛久市久野町)で外国人2人が死亡した問題で、大村入国管理センター(長崎県大村市)でも常勤医が不在だったことが、同センターへの取材で分かった。全国3カ所の入管センターのうち2カ所で常勤医が不在となっており、支援団体は「収容者は外部で自由な診療が受けられない。内部診療を充実することが必要だ」と指摘している。
入管センターは東日本、大村のほか、西日本(大阪府茨木市)の3カ所があり、西日本は唯一、医師が常勤している一方、東日本は平日午後1~5時、大村では毎週金曜日午前9時~正午の診療だけにとどまっている。大村入管センターは「長崎は離島が多く、各地に派遣されている医師も多いので、なかなかセンターで診療してくれる医師が見つからない」と説明する。
これに対し、難民支援などに取り組む市民団体「RINK」(大阪市中央区)の草加道常さんは「外部の病院で診療を希望しても、随行する職員が限られており、症状が重い外国人が優先になる。待っている間に重症化する人もいる」と改善を求めた。
一方、牛久署は3日、東日本入管センターで死亡したイラン人男性(33)の死因について、食事をのどに詰まらせたことによる低酸素性脳症だったと発表した。また、カメルーン人男性(43)の死因は「事件、事故の可能性がない」として公表しなかった。【中里顕、土江洋範】