強制退去取り消し求めて提訴 名古屋のクルド人兄妹

(10/2/3 産経新聞)

2010.2.3 18:13

 名古屋市に住むイラン国籍のクルド人兄妹が3日、難民審査参与員が配慮を求めたのに強制退去処分を受けたのは違法として、名古屋入国管理局に処分取り消しを求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 20代前半の兄妹は平成12年3月、父が反政府組織の活動に参加し危害を受ける恐れがあるとし、両親とともにイランから来日。現在は国内の短大、大学にそれぞれ通っている。

 訴状によると、両親が申し立てた難民不認定の異議に対し、難民審査参与員は18年2月、両親の在留を否定したが、兄妹については「在留へ特別の配慮をすることが相当」と意見。兄妹は在留特別許可を求めたが、入管は昨年秋、強制退去を命じた。在留資格がないため海外渡航できず、留学をあきらめてきた妹は「イランにはもう帰れない。就職を控え、在留資格がほしい」と訴えている。