長期収容者「3倍増」 西日本入管を市民団体が調査

(10/3/18 朝日新聞)

男性収容者の大半が、食事を拒む「ハンスト」を8日から続けている法務省の西日本入国管理センター(大阪府茨木市)で、収容1年以上の長期収容者が半年前の3倍以上に増えていると、収容者を支援している市民団体「入管問題かんさい支援ネットワーク」が17日発表した。長期収容で体調を悪化させる外国人が相次ぎ、収容者全体に不満が高まっているようだ。

同ネットワークが収容者を通して調べた結果、全収容者約130人のうち、収容期間が1年以上の外国人は同日現在で42人だった。法務省が公表した昨年8月末の統計では、全収容者数が130人で、うち収容1年以上は12人。長期収容者が6カ月半で3.5倍になったことになる。収容者のうち少なくとも31人は難民申請者だという。

同ネットワークによると、収容中に十分な医療を受けられず、高血圧症やうつ病が深刻になったり、体重が急減したりしている収容者もいるという。

同センターでは、病状が悪い収容者の仮放免などを求め、男性収容者の大半にあたる70人以上が8日から「ハンスト」を始め、17日現在も続いている。支援者がバナナなどを差し入れていたが、16日の面会で、差し入れをしないよう伝えてきたという。

同ネットワークの関本徹さんは「抗議の背景には、『このまま出られず、自分もここで病気になるのか』という不安があるようだ」と話している。(浅倉拓也)