ガーナ人の強制送還中死亡、入管職員10人を書類送検

(2010年12月28日11時13分 朝日新聞)

ガーナ国籍のアブバカル・アウドゥ・スラジュさん(当時45)が今年3月、成田空港から強制送還される際、搭乗した機内で死亡した問題で、千葉県警が護送にかかわった東京入国管理局の男性入国警備官10人を、特別公務員暴行陵虐致死容疑で千葉地検に書類送検していたことが、捜査関係者への取材でわかった。

県警によると、警備官らは3月22日午後、スラジュさんを強制送還させるため、収容先の東京入国管理局横浜支局から護送し、成田空港でカイロ行きの航空機に搭乗させる際、スラジュさんが暴れたため、数人で体を押さえるなどして死亡させた疑いがある。
スラジュさんの妻が6月、千葉地検に告訴していた。

県警は「制圧と死亡との因果関係ははっきりしない」としており、書類送検については「告訴案件であり、刑事手続きの一環だ」と説明している。東京入国管理局は「今後も捜査に協力し、事実解明に努めるとともに、安全な護送業務を実施したい」と話している。