「強制送還で裁判権利奪われた」 難民認定求めた2人が提訴

(17/10/19 NHKニュース)

難民認定を求めていたスリランカ人の男性2人が、申し立てが退けられた翌日に強制送還され、日本で裁判を起こす権利を奪われたとして、国に対して合わせて1000万円の賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは、3年前にほかの外国人とともに国のチャーター便で一斉に強制送還されたスリランカ人の46歳の男性と56歳の男性の2人です。

訴えによりますと、2人は10年余り前に来日し、その後、不法滞在していたとして摘発されたため、「帰国すれば政治的な迫害を受ける」として難民認定を申請しましたが、退けられたということです。

強制送還されたのはその翌日だったことから、2人は申請を退けた国の判断に対して裁判を起こして争う権利が奪われたとして、合わせて1000万円の賠償を国に求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

原告の代理人の指宿昭一弁護士は「このままでは誰も難民認定を争う裁判を起こせなくなってしまう。重大な権利の侵害で、是正が必要だ」と訴えました。

一方、法務省入国管理局は「訴状が届いた場合には内容を検討して適切に対応します」とコメントしています。