入管施設でまた収容の外国人が死亡

(14/12/1 NHKニュース)

12月1日 17時57分

東京入国管理局に収容されていたスリランカ人の男性が先月、体調不良を訴えたのに、医師の診察を受けられないまま死亡したことが支援団体の調査で分かりました。
ことし3月にも茨城県の入管施設で外国人2人が死亡していて、支援団体は医療面の対応を早急に改善するよう法務省に申し入れることにしています。

死亡したのは先月中旬に来日したものの滞在を許可されずに東京・港区の東京入国管理局に収容されていた57歳のスリランカ人の男性です。男性は先月22日の午後1時ごろ、収容されていた部屋で意識不明の状態で発見され、搬送された病院で死亡が確認されました。
外国人の支援団体によりますと、男性は当日の朝から激しい胸の痛みを訴えたにもかかわらず、入管が医師の診察を受けさせるなどの対応を取っていなかったことがほかの収容者への聞き取りで分かったということです。
入管施設を巡っては、ことし3月に茨城県の東日本入国管理センターに収容されていた外国人の男性2人が相次いで死亡していて、法務省はこのうち1人について、医療面の対応に不備があったと先月20日に発表したばかりでした。
支援団体は「入管の姿勢は外国人の人権を著しく軽視するものだ」として、早急に対応を改善するよう法務省に申し入れることにしています。

  遺族「信じられない問題」

支援団体とともに会見した死亡したスリランカ人の親族の男性は、「いまだに亡くなったことが信じられない。男性の妻も、精神的に激しく動揺していて、『日本でこんな問題が起きたことが信じられない』と話していた」と述べ、入管の対応の検証や医療体制の改善を訴えました。

  入管「対応に不備はない」

収容されていた男性が死亡したことについて東京入国管理局は、「男性を一般の部屋から単独の部屋に移して職員が様子を確認していて、対応に不備はなかったと考えている。現時点では死因が特定されておらず、それ以上のことは申し上げられない」とコメントしています