参与員:「難民相当」棄却は不当 制度間い、男性提訴へ

(15/2/14 毎日新聞)

 2015年02月14日 07時30分

 難民認定の透明性を高めるために導入された「難民審査参与員制度」で、参与員の多数意見が「難民認定が相当」としながら認定されなかったミャンマー人の男性(47)が月内にも、不認定処分の取り消しを国に求める訴訟を東京地裁に起こすことが分かった。参与員の結論に法的拘束力はないが、法相は意見を尊重するとされており、弁護団は「訴訟を通じて制度の意義を問いたい」としている。
 参与員制度は、難民認定手続きの公平性や中立性を図る狙いで2005年に導入された。認定申請を退けられた人の異議申し立ての審査に、学識経験者ら民間人3人が加わる。12年までは約2700人の審査に参与員が関わり、このうち多数意見が「認定相当」とした84人すべてが難民認定された。だが、13年に初めて4件(7人)の申請で多数意見が退けられ、その後も続いている。

 弁護団によると、男性はミャンマーで反政府活動をし、1998年に来日。04年に不法残留で摘発され、難民申請を退けられた。不認定処分の取り消しを求めて訴訟を続けながら、軍事政権批判の雑誌を発行し、反政府団体の発足に関わった。

 敗訴が確定したものの、日本での活動が海外メディアに取り上げられたため、男性は改めて難民申請。10年11月に不認定とされたが異議を申し立て、参与員2人が「帰国すれば迫害を受ける恐れがある」と判断した。しかし国は14年6月、申し立てを棄却した。弁護団の近藤博徳弁護士は「難民認定の専門家として選んだ参与員の意見を尊重していない。例外的に少数意見を採用する場合には合理的な理由を説明すべきだ」と主張している。

 日本は難民受け入れに消極的とされ、参与員制度も国内外の批判に応えて導入された。難民申請を就労目的などで「乱用」するケースが増えているとの指摘もあり、難民申請数は激増傾向にある。13年は過去最多の3260人の申請があったが、認定者数は6人にとどまった。

 法務省のある幹部は「参与員の意見は多数決制ではなく、参与員3人が違う意見を述べることもある。本国や本人が置かれた環境の変化を踏まえ、少数意見にも配慮して慎重に判断している」と説明する。【山本将克】