(12/9/27 毎日新聞)
2012年09月27日 02時30分
名古屋市在住のルワンダ人男性(32)が名古屋入国管理局から難民認定されたことが26日、分かった。認定は25日で、男性は「定住者」の在留資格を得た。日本政府がルワンダ人を難民認定するのは初めて。ルワンダでは政府による虐殺があったとされており、支援者は「日本政府がルワンダ政府の危険性をようやく理解したのかもしれない」と話している。
難民認定申請書によると、男性はルワンダ南部出身のツチ族。内戦時にフツ族から迫害を受け、1994年に隣国ウガンダに逃れた。家族とは音信不通になった。03年に帰国して政府軍に入ったが、前線での活動を拒否したところ暴行され、脱走。05年に支援者が用意した偽造旅券で来日した。愛知県や三重県で働き、08年に知人の勧めで難民認定を申請。愛知県警により10年、出入国管理法違反容疑で逮捕され、起訴猶予で釈放された。
同入管は1次審査で10年に難民認定せず、男性が申し立てた異議の審査で認定された。
ルワンダでは90年代からツチ族とフツ族による対立が起き、政府がフツ族穏健派とツチ族計約80万人を虐殺したとされる。
代理人の川口直也弁護士は「男性は迫害によりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しており、初めから認定されるべきだった。ここ数年、男性の状況は何も変わっておらず、入管の調査が不足していたのではないか」と指摘している。【山口知】