強制退去の外国人「滞在延長を」訴え 母国で暮らせず、座り込み

(13/5/20 東京新聞)

2013年5月20日夕刊

日本での滞在ビザが切れて長期の不法滞在となり、国から強制退去の命令を受けている外国人三十四人が二十日、滞在延長を求めて東京入国管理局前で抗議活動を行った。二十四日まで抗議を続けるという。

訴えているのはフィリピン、イラン、ペルーなど八カ国、十七家族と個人三人で、ゼロ歳~五十六歳。平均して十八年ほど日本で暮らしている。いずれも経済的事情から母国で暮らせず、半年~一年ほどのビザで来日し、建築現場や飲食店などで働いていた。

自分の病気や子どもの障害のため通院を続けている人もおり、日本での生活を考慮して国に「在留特別許可」を求めているが、認められていない。

座り込みの前に、三十二人が記者会見。フィリピン国籍のボラノス・ジョージ・カブレラさん(39)は、同じ国の出身で日本国籍を取った女性と結婚し、二人の子どもがいる。「家族のためにも日本で暮らし続けたい」と訴えた。また、フィリピン国籍で小学六年のトーレス・ジョン・マシュー・エンリクエズ君(11)は「学校の友達と別れたくない。フィリピン語もしゃべれないので日本にいさせて」と涙を流した。

こうした外国人を支援しているNPO法人「APFS(アジアン・ピープルズ・フレンドシップ・ソサエティー)」によると、一月一日時点で、座り込みをする家族を含め三千三十人に入国管理局から強制退去命令が出ている。