不法滞在者再収容4倍増 東京五輪向け政府、監視強化

(18/2/13 京都新聞)

仮放免許可が更新されず再収容された外国人の人数【グラフ略】

入国管理施設に収容された不法滞在外国人のうち、条件付きでいったん解放されながら就労禁止違反などを理由に再収容された人が5年間で約4倍も増えていたことが12日、分かった。政府は2020年の東京五輪に向けた治安対策と説明。再収容者には難民申請中が多く、支援者は「仕事しないと暮らせない。難民保護に反し、非人道的だ」と批判している。

入管当局は原則、在留資格がなく強制送還の対象となった外国人を一時的に施設に収容。だが、母国が身柄引き取りを拒否したり、本人が難民申請中だったりすると直ちに送還できず、収容が長期化する。そうした場合、病気や人道上の理由から就労禁止を条件に「仮放免」許可を出し、拘束を解くことがある。

難民審査で不認定処分が出たり、条件違反が見つかったりすると、許可を取り消し、再収容する。ただ、仮放免の難民申請者は生活のため働かざるを得ないのが実態で、入管当局は厳しく取り締まってこなかった。

法務省によると、12年の再収容者が121人だったのに対し、16年は474人。17年も9月末時点で434人に達している。仮放免者数も12年末の2645人から16年末には3555人と増えたものの、再収容者の比率も大幅に高まった。