難民審査を厳格化へ=「偽装」排除、就労を抑制―法務省

(17/11/18 時事通信)

法務省は18日、出稼ぎを目的とした「偽装難民」の急増に対応するため、難民認定制度の運用を年内にも厳格化する方針を固めた。時間のかかる通常の審査に先立って予備的審査を実施し、明らかに難民に該当しない人を排除。これにより、申請から6カ月後に一律に就労を認めている現在の運用を取りやめる。

2016年の難民申請者数は過去最多の1万901人と、初めて1万人を突破。一方、同年に難民条約上の条件を満たす難民と認定されたのは28人だった。法務省は申請者の大半が出稼ぎ目的とみており、審査の運用見直しを進めていた。

通常の審査は平均で約9カ月を要する。このため、新たな運用では、申請から2カ月以内に予備的審査を行い、(1)難民の可能性が高い人(2)難民に該当するかすぐに判断できない人(3)明らかに難民に該当しない人(4)申請が2回目以降の人―の4種類に選別する。

母国での信金など経済的な理由で申請し、「明らかに難民に該当しない」と判断された人や、正当な理由なく再申請したことが判明した人については、就労を認めず、在留期限後に強制退去の手続きを取る。

一方、「難民の可能性が高い」と判断された人には、速やかに在留と就労を許可する。「すぐに判断できない」ケースについては、審査を継続し、就労の可否を個別に判断する。

同省は15年9月から、同じ理由で申請を繰り返す人の就労を認めないといった対策を講じてきた。しかし、効果が限定的だったため、初回の申請者も含め、全体的に審査を厳格化する必要があると判断した。安倍政権は「観光立国」を掲げてビザ(査証)発給要件の緩和を進めており、偽装難民の増加につながっているとみられる。(2017/11/18-15:57)