(2016/11/29 NHKニュース)
11月29日 16時31分
日本を訪れている国連のグランディ難民高等弁務官は、NHKのインタビュー取材に応じ、欧米各国が内向きな姿勢を強める中でほかの地域も難民の受け入れに消極的になることへの懸念を示しました。
国連のグランディ難民高等弁務官は28日、NHKの取材に応じ、アメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利したりイギリスがEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたりするなど欧米の間で内向きな動きが強まっていることについて、「伝統的に難民保護の最大の支援者としてお手本となってきた先進国がその役割を果たさなくなると、ほかの国々も追従してしまう」と述べ、ほかの地域も難民受け入れに消極的になることへの懸念を示しました。
そのうえで難民の中に危険な人物が紛れ込むことは認定などの手続きによって防ぐことができるとして、各国に積極的に難民を受け入れるよう働きかけを強める考えを強調しました。
また日本の政策について、内戦が続くシリアの若者を来年から留学生として受け入れる支援策は評価した一方、「難民の認定などをもっと拡充する必要がある。少しずつしか進まないことは理解しており、われわれとしても支援していきたい」と述べて、引き続き日本政府に対して積極的な難民受け入れを求めていく考えを示しました。