難民支援拡充を! 22団体が首相に申入書 国連総会控え

(16/9/16 朝日新聞)

中野寛 2016年9月16日 07時10分

19日から国連総会などで難民の受け入れ問題が議論されるのを前に、難民支援に携わるNPOや民間団体が15日、日本の支援策の拡充を求める申入書を、安倍晋三首相と岸田文雄外相あてに提出した。

19日に国連総会が主催する「難民・移民に関する国連サミット」では、内戦が続くシリアなどから流出する多数の難民や移民への対応策について各国首脳が話し合う。20日には、オバマ米大統領の呼びかけで、カナダなどが「難民に関するリーダーズ・サミット」を共催。難民支援への拠出金や受け入れ数の増加などについて、各国政府に協力を求める。20日の会合については、日本が参加するかは未定という。

申入書には、アムネスティ・インターナショナル日本など22団体が賛同し、日本の難民の受け入れ策の強化を求めている。

日本は、難民の受け入れに消極的だと国際社会から評されている。法務省によると、昨年の難民認定者数は27人だが、申請者数は7586人だった。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、周辺国に逃れた難民を第三国が受け入れる「第三国定住」を必要とする難民の数が来年は119万人に達すると試算するが、現時点で日本の受け入れ枠は30人にとどまっている。

一方で、日本政府は今年5月、シリアの難民らを留学生として、来年度からの5年間で最大150人受け入れると発表した。

申入書を取りまとめた難民支援協会の石川えり代表理事は「第三国定住や留学生の受け入れ、就労ビザの発行など、あらゆる手段で受け入れの幅を広げてほしい」と話している。
(中野寛)