2019年6月24日、大村入国管理センター(長崎県大村市)に収容中のナイジェリア人男性が、ハンガーストライキ中に具合が悪くなり、倒れているところを巡回中の職員に発見されたが、緊急搬送先の病院で死亡が確認されました。
なぜハンガーストライキを行っていたか、その原因に入管は何か対応を取っていたかということが度々問題になります。ナイジェリア人男性の背景には大阪入管(大阪市)から大村に移送され、3年以上も収容されていたということしかわかりません。が、有期刑受刑者の刑務所と違って、送還を希望しない人にとっては無期限収容となり得る入管収容は肉体的にも精神的にも健康をむしばむ原因にもなります。入管はそれらの対応をきちんとして、長期収容を継続しているかというと、それらは全くなされていないと言えます。
一人一人の事情にきちんと向き合い、長期収容をやめ、在留資格の付与なども考えるべきではないでしょうか。
- 大村入国管理センター被収容者死亡事案に関する調査報告について (19/10/1 法務省)外部リンク
大村入国管理センター被収容者死亡事案に関する調査報告書 (法務省 pdfファイル)外部リンク
2019年10月、法務省はナイジェリア人の死亡に関し、死因を「餓死」と公表しました。給食も、内部医や外部病院への診療も拒否されたとして、「(入管側の)対応には問題ない」と結論付けていました。
しかし、その後の東日本入管などでハンストを続けていた収容者には2週間という短期間であれ、仮放免をしました。その間に食事や医療へのアクセスはできたはずで、仮放免させない運用に問題はなかったか、疑問がわきます。
2019年7月 11月更新 RAFIQ
【支援団体等の声明等】 すべて外部リンク
- 大村入管センターにおけるナイジェリア人死亡事案に関する調査報告書に対する理事長声明 (19/10/29 九州弁護士会)
- 人道危機にある入管収容の現場から人間の尊厳の確保を求める声明 (19/10/25 全国難民弁護団連絡会議)
- 外国人の収容に係る運用を抜本的に改善し、不必要な収容を直ちにやめることを求める会長声明 (19/7/1 東京弁護士会)
- 大村入国管理センターでのナイジェリア人の死亡事故についての声明 (19/6/27 福岡難民弁護団) pdf
【メディア記事】
- 第三者調査を求める/入管の餓死事案で藤野氏/衆院法務委 (19/11/20 しんぶん赤旗)
- ハンストのナイジェリア人男性が飢餓死するまで 調査報告書を読んだ医師が解説 (19/10/8 デイリー新潮)
- 入管施設で餓死 人権軽視ひずみあらわに (19/10/3 信濃毎日新聞)
- 「安全な国、日本しか…」 終わりない収容、募る不安 (19/10/2 朝日新聞)
- Nigerian on hunger strike dies in Japanese immigration centre (19/10/2 The Guardian)
- 入管施設でナイジェリア人死亡、「ハンストが原因」調査結果公表 (19/10/1 TBSニュース)
- 大村入管収容者の死因は餓死 (19/10/1 NHK長崎)
- Nigerian man died on hunger strike at Japan detention center: agency (19/10/1 Kyodo News)
- 長崎の収容外国人ハンストで死亡 入管施設で初、報告書を公表 (19/10/1 高知新聞)
- 入管施設での外国人死亡は餓死 入管庁「対応問題なし」 (19/10/1 朝日新聞)
- 柚之原牧師「現在の制度に無理がある」 大村入国管理センターの長期収容問題 (19/9/29 共同通信-長崎新聞)
- 入管施設で外国人男性死亡 収容者の抗議の動き拡大か (19/8/21 朝日新聞)
- サニーさんの死なぜ 大村入管のナイジェリア人 収容3年7ヵ月 (19/7/18 西日本新聞)
- 長崎・大村入国管理センターでナイジェリア人が死亡 入管庁が調査チーム設置 (19/7/3 FNNニュース)
- 牛久の入管施設で27人がハンスト、大村ではナイジェリア人が死亡 (19/6/26 ロイター)
- 大村入管センター収容中の男性死亡 40代ナイジェリア人 (19/6/25 西日本新聞)