勝訴後の難民不認定は違法=スリランカ人再提訴で―東京地裁

(18/7/5 時事通信)

難民認定訴訟で国に勝訴後、再び不認定処分を受けたスリランカ国籍の男性(58)が、改めて認定を求めて国を訴えた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。清水知恵子裁判長は「男性は難民に該当し、国の処分は違法」と述べ、国に対し、男性の難民認定を命じた。勝訴後に再び難民認定を求めた訴訟の判決は初めて。

男性は2006年、スリランカで現地武装組織の協力者と疑われ、兄がいたカナダに向かう途中、経由地の中部国際空港で拘束された。日本での難民申請が認められずに提訴し、大阪地裁は11年、不認定処分の取り消しを命じた。判決は確定したが、法務省が再び不認定とした。

清水裁判長は「国は難民に該当することを前提に処分を検討すべきで、再度不認定とする場合、国に立証責任がある」と指摘。国側は09年の内戦終結後に治安が改善したと主張したが、判決は「少数民族の男性が帰国すれば、拘束や拷問を受ける恐れがある」と退けた。(2018/07/05-18:31)