難民認定で再提訴 国争う姿勢

(15/12/17 NHK NEWSWEB)

12月17日11時49分

難民の認定を求めた裁判で勝訴したスリランカ国籍の男性が、その後も法務省から難民と認定されないのは不当だとして再び国を訴えた裁判が東京地方裁判所で始まり、国は「難民と認めなかった判断は適切だ」として争う姿勢を示しました。

スリランカの少数派のタミル人の50代の男性は、内戦が続いていた母国を離れて9年前に日本に入国し、難民認定を求める訴えを起こして4年前に勝訴が確定し、改めて認定を求めましたが、法務省から「内戦が終結し情勢が改善されている」として、認定されませんでした。

男性は「判決では内戦が終結した事情も踏まえられていた」などとして、再び認定を求める異例の訴えを起こしました。

17日東京地方裁判所で始まった裁判で、男性は法廷で意見を述べ「裁判所が認めてくれたのに難民と認定されず、子どもたちを日本に呼び寄せることができなかったので、家族がバラバラになってしまった。私の失った時間を返してほしい」と涙を浮かべて訴えました。

一方、国は「判決が確定した後、難民と認めなかった判断は適切で、取り消されるべきでも無効でもない」などとして、訴えを退けるよう求めました。