(11/4/30 中日新聞)
名古屋入国管理局(名古屋市港区)に収容され、難民申請の準備をしたり在留資格を求めている外国人らが処遇改善を求め、ハンガーストライキをしている。名古屋入管も事実を認め、食事をするよう説得している。
難民や外国人労働者を支援する民周団体「START」(名古屋市)によると、ハンガーストライキをしているのは、入管難民法違反(不法滞在)で収容されているミャンマー人男性のキンマウンソウさん(三二)ら。名古屋入管は国籍などを明らかにせず、二十八日時点で十五人と説明しているが、STARTは「ミャンマー人やパキスタン人ら二十二人」と話している。
キンマウンソウさんらは二十二日夜、施設内にある意見箱に仮放免申請者の速やかな仮放免や強制退去命令を受け、帰国を承諾した人のための航空券手配、病院での適切な治療、冷えていて量が少ない食事の改善などを求めた文書を提出。二十三日朝から、十七人がハンガーストライキを始め、その後、人数が増えたという。
START代表倉田美喜さん(二七)によると、キンマウンソウさんはミャンマーの軍事政権に目を付けられ、三年半前に来日。難民申請が認められず、現在は再申請を準備中という。パキスタン人ナジャム・アス・サジット・ナイムさん(四六)は、在留資格のあるフィリピン人女性と結婚。日本国籍の連れ子もおり、自らの在留資格を求めている。
倉田さんは「ストライキ参加者には、難民申請中や強制退去命令撤回を求める裁判中の人もおり、半年以上収容されている人も。体調も崩し始めている」と話し、二十八日に改善を求める申し入れ書を同入管に提出した。
一方、名古屋入管は「食事の拒否は二十六日から」と説明。「食べるように説得しているが、一部は売店で食べ物を購入した事実も把握している。要望は調査中」と話している。