2008年、政府はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やIOM(国際移住機関)が中心となって、難民キャンプから母国や避難地以外の第三国で定住していくプログラムを「パイロットケース」として、受け入れることを決めました。パイロットケースとしては2010年からミャンマー(ビルマ)・タイ国境のビルマ難民キャンプから3年間90人((若い)家族であることが条件)としました。
パイロットケースが終了した2013年からも引き続き、同程度でキャンプや避難地域を拡大してビルマ難民を受け入れることを2012年に閣議決定し、現在も続いています。
RAFIQが支援している「難民」と違うのは、UNHCRや政府(外務省が中心)など、難民キャンプに出向いて第三国定住希望者を募り、現地で日本についての基礎的な学習活動を行っていること、来日した折には、難民事業本部の定住支援プログラムが受けられること、受け入れ地域に定住させることなどがあげられるかと思います。
そこには、難民認定制度が一切入らず、支援体制も国から自治体・地域へという形になっています。しかし、難民が地域に来ていることはほとんど地元の人には届いていないように思います。
こうした第三国定住支援プログラムは日本以外の先進国(イギリスやアメリカ)などでも行われています。
年 | 避難地域 | 家族数 | 人数 | |
第1陣 | 2010 | タイ国境 | 5 | 37 |
第2陣 | 2011 | タイ国境 | 4 | 18 |
第3陣 | 2012 | タイ国境 | 0 | 0 |
第4陣 | 2013 | タイ国境 | 4 | 18 |
第5陣 | 2014 | タイ国境 | 5 | 23 |
第6陣 | 2015 | マレーシア | 6 | 19 |
第7陣 | 2016 | マレーシア | 7 | 18 |
第8陣 | 2017 | マレーシア | 8 | 29 |
第9陣 | 2018 | マレーシア | 5 | 22 |
第10陣 | 2019 | マレーシア | 6 | 20 |
私たちは、日本に難民として難民認定申請をしている人たちの保護と受け入れを最優先に考えてほしいことと、受け入れ後のフォロー体制の充実を願うものです。
「第三国定住」に関する参考になるWebサイト等一覧(すべて外部リンク)
- 第三国定住ハンドブック・日本語版 (13/2/6 UNHCR)
- 第三国定住による難民の受入れの拡大に対する意見 (18/11/14 全国難民弁護団連絡会議)
- 日本における第三国定住難民受入れの更なる発展に向けた提言(14/2/18 なんみんフォーラム)
- 第三国定住プログラムによる難民受け入れに関するプレスリリース (12/10/1 なんみんフォーラム) pdf
- 第三国定住第3陣の受け入れゼロの内閣官房発表に対して (12/9/25 難民支援協会)
- 第三国定住プログラムよる難民の受け入れに関する申入書 (11/9/26 全国難民弁護団連絡会議 PDF)
- 第三国定住―各国再定住政策の比較検討 (09/5/18 ヒューマンライツ・ナウ)
このリンク先のページ下部にあります、pdfファイルは第三国定住を政策としている国の状態がよくわかります。 - 第三国定住による難民の受入れに関するパイロットケース実施の具体的措置について (08/12/19 内閣官房:難民対策連絡調整会議)