世界難民の日 IN KANSAI 2021

世界難民の日 IN KANSAI 2021を開催するにあたって

6月20日は、2000年の国連総会で決定された「世界難民の日」です。この日の前後には世界中で難民について考える様々な取り組みが行われています。
関西でも、毎年「世界難民の日関西集会」を開催してきました。昨年は新型コロナの感染拡大の為に、WEBサイトで難民問題を配信しました。今年はオンラインで開催いたします。
2月19日に「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の改正が閣議決定され、問題が多い法案であった為にその後国内外から多くの反対の声が上がりました。結局5月18日に法案が取り下げられ廃案になりました。しかし、「日本の難民受け入れ」や「入管収容者への人権」等の問題は改善されていません。
この集会で、日本の難民はどのような状況なのか。そして、私たちにできることは何なのかを考えませんか。
新型コロナウイルスの影響下で直接出会う機会が減ってる今、心のディスタンスを縮めて行きましょう。

イベントの概要

講師

安田 菜津紀さん
安藤 由香里さん
尾家 康介さん

「日本に生きる難民の人々と入管問題」安田 菜津紀氏

取材した難民の人々を写真で紹介しながら、講演されました。
【要旨】
日本に逃れてきた難民は、日本文化との共生に苦労している。例えば、イスラム教徒のロヒンギャ難民は、子どもがいじめられないように給食の献立そっくりのお弁当に持たせている。
日本で難民認定を受ける人はごく少数。反政府デモに参加し逃げてきた人は、逮捕状等の証拠がないとして難民認定されていない。しかし逮捕状等を持って出国する人はおらず、実態と乖離している。
そして、入管の収容施設では、虐待や無期限収容等の人権侵害があり、死亡する人まで出ており、国際法に反する問題が山積している。
この日に知ったこと、考えたことを踏まえ、日本における難民の問題に対してどのようにこれからアクションし続けるかが大切。

「世界の難民情勢と日本の現状について」安藤由香里氏

国際難民法が専門で関西の大学などで授業をされている安藤氏からは、UNHCR保護対象者や日本の難民認定申請者の推移、ノン・ルフルマン原則、迫害が要件ではない補完的保護などについて講義をしていただきました。
プレゼン資料

「入管法と野党の難民法について」尾家康介氏

弁護士として外国につながる方に関する業務や、外国人の権利擁護活動をされている尾家氏からは、日本における難民認定手続や認定率の低さに対する疑問、難民申請者・認定者の生活の困難さ、収容と送還の問題などについて講義をしていただきました。
プレゼン資料

安田菜津紀氏、安藤由香里氏、尾家康介氏によるトーク

厳しすぎる難民受け入れの現状に対し、安田さんからは不安を抱えた難民が安心して話せる環境を用意すること、尾家さんからは難民認定の関係者が想像力を持って申請者の話を聞くことの重要性が語られました。安藤さんからは想像力を養う教育の事例として、学生が難民を疑似体験するボードゲームづくりに取り組んでいることが紹介されました。また、安田さんから入管職員に対する教育の必要性についても指摘がありました。
そして、今後について、入管法改悪を阻止した世論の盛り上がりを絶やさないようにし、国際基準に合った難民の保護を入管とは別の機関が行えるように、それぞれの立場から発信し輪を広げていくことの重要性が確認されました。
このほか入管に収容されたことのある難民申請者2名による体験談、ビルマ(ミャンマー)のクーデター後の現状と日本からの支援について、日本ビルマ救援センターと街頭募金を続けている学生からそれぞれ報告と協力の呼びかけがありました。

「ビルマクーデター後の情勢と日本での支援について」 日本ビルマ救援センター

30年以上ビルマの支援を行っている日本ビルマ救援センターからは、2021年2月にビルマで発生した軍事クーデターに対しての、日本在留ビルマ人への緊急避難措置等について説明がありました。一緒に活動を続ける学生団体、ミャンマー(ビルマ)の民主化を支援する関西学生ネットワークからは、現地に向けた緊急支援の報告と参加の呼び掛けがありました。
プレゼン資料1
プレゼン資料2

タイムスケジュール

18:00開始(挨拶)アムネスティ・インターナショナル日本
18:05講演:
日本に生きる難民の人々と入管問題
安田 菜津紀
18:45わたし達難民の声を聞いて在日難民代表者2名
18:55パネルトーク:講師紹介
19:00パネルトーク:
世界の難民情勢と日本の現状について
安藤 由香里
難民法研究者
19:10パネルトーク:
入管法と野党の難民法について
尾家 康介
東京弁護士会
19:20講師及びパネリスト対談安田 菜津紀
安藤 由香里
尾家 康介
19:45ビルマクーデター後の情勢と日本での支援について日本ビルマ救援センター
19:55閉会挨拶RAFIQ
在日難民との共生ネットワーク
20:00閉会

世界難民の日関西集会実行委員会事務局・お問い合わせ
RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
Mail:rafiqtomodati@yahoo.co.jp


タイトルとURLをコピーしました