カテゴリー: 書籍

なんみんハウス資料室便り 5号

坂口裕彦『ルポ 難民追跡 バルカンルートを行く』岩波新書、2016年10月

なんみんハウス資料室室長nonomarunです。


暖かくなったり春一番吹いたり、でも一気に冷え込んだり。。。屈強な(?)nonomarun室長もちょいダウン。

でも難民の方はより一層心細いだろうな。。。と思いを馳せる病床。自分に出来ることは何か?きっと皆さんも毎日葛藤されているハズ。いますぐに、誰にでもできること(そして、それはとても重要なこと)は、知ること、知ろうとすること、そして知って回りに伝えることかな…と思っています(それが資料室設立の目的の一つでもあります! ヽ(^0^)ノ押忍!)

坂口裕彦『ルポ 難民追跡 バルカンルートを行く』岩波新書、2016年10月

序章 出発

第一章 ギリシャ

第二章 旧ユーゴスラビア

第三章 オーストリア・ドイツ

第四章 排除のハンガリー

第五章 贖罪のドイツ

第六章 再会

主な参考文献

あとがき

アフガニスタンからイランへ逃れたハザラ人アリ・バグリさん一家が、ギリシャからバルカンルートを通ってドイツを目指す姿を密着同時進行ルポで紹介。各国の諸事情や難民政策により様々にルートを変えるバルカンルートですが、当時では、各国の難民移動専用列車によって、とにかく難民をドイツまで押し出そうとハイスピードで運ばれていく様子が衝撃的。一家族を追うことで、漠然と「難民」というカテゴリで見てしまいがちな人々が、「同じ生身の人間」として浮かび上がります。

また、単なるルポではなく、歴史的背景なども折り込んであり、とても読みやすくお勧めです。本書発行前に、RAFIQとも連携している「RAWAと連帯する会」主催の講演会で著者の講演を聴きました。プレゼンがとても魅力的で最後には日本の難民問題にも言及され、本書発行日を心待ちにして購入しました。そして本書あとがきを読んで、びっくりして、ホロっときたnonomarun室長でした。 新書だから読みやすいです。ぜひ読んでみてね!