カテゴリー: 書籍

なんみんハウス資料室便り 10号

制作・編集:山村淳平、在日ビルマ市民労働組合『だまされるな!技能実習生 国家のサギに』(DVD カラー約16分)2017年 ★音声:日本語・ビルマ語

こんにちは。なんみんハウス資料室室長nonomarun@RAFIQ主催のお花見に室長もいくよ! です。

もう3月も終わり。ひゃ〜早い!! そしてバタバタの4月がやってきます。春とはいえ、寒暖の差が激しい季節。そして新生活が始まって緊張や不安、ストレスいっぱいの人もいるだろうけど、同じくらい新しい出会いや期待とドキドキもたくさんある季節。そんないろんな気持ちが空中に満ちているように感じます。とにかく、体調管理に気をつけて!

今日ご紹介するのはDVD。山村淳平氏は2017年1月に神奈川県弁護士会の人権賞を受賞され、その副賞の一部を制作費にあてて作られたのが、このDVDです(ご本人から寄贈していただきました)。貸出・上映は自由とのことなので、ご覧になりたい方は、ぜひ、なんみんハウスへ!山村氏の他のDVD・書籍もRAFIQで販売しています。

もう少し詳しく知りたい方は、なんみんハウス資料室所蔵の関連本3冊をご紹介します。

出井康博『ルポ ニッポン絶望工場』講談社+α新書、2016年7月

安田浩一『ルポ 差別と貧困の外国労働者』光文社新書、2010年6月

宮島喬・鈴木江理子『岩波ブックレット916 外国人労働者受け入れを問う』2014年12月

制作・編集:山村淳平、在日ビルマ市民労働組合『だまされるな!技能実習生 国家のサギに』(DVD カラー約16分)2017年 ★音声:日本語・ビルマ語

日本には約1万6000人のビルマ人が在住していますが、近年深刻な問題となっているのが、日本に来た実習生達に対する日本の中小企業による、人権を完全に無視した搾取労働。現代の奴隷制度とまでも言われている技能実習生制度です(ここでは触れられていませんが、留学生も同じく)。

映像の前半は、2016年3月に開かれた「ビルマ人技能実習生問題シンポジウム」から、被害にあったビルマ人実習生たちの証言があり、10代か20代前半であろう、まだ子どものようにあどけない女性達が日本で被った悲惨な体験に胸が痛くなります。ビルマ人実習生のために闘っている弁護士が技能実習生制度について「日本政府は国際貢献と言っているが、これはウソ。日本の中小企業が外国人労働者を安く使うための制度です」と断言するのが心に刺さります。後半はなぜこのような問題が起こるかということを、わかりやすく図式化して解説してあるので、この問題に初めて触れた!という方にも最適なDVDです。

日本の難民認定申請者の中には、就労・犯罪目的の偽装難民がいてそれがほとんどなんでしょ?…云々という意見をよく耳にしますが、確かにそういう方もいるのも事実。でも、そのなかにも、本来は技能実習生・研修生や留学生で夢を持って日本に来たのに、奴隷のような労働力としてこき使われて耐えられずに脱走し、借金を返すためや、帰国できないために結果的に難民認定申請をしたり、犯罪を犯すしかなかった外国人もいる、というのも事実。すぐに断定したり切り捨たりせず、それを生み出した背景や原因にもっと思いを馳せて欲しい、それは日本の制度が、私たち日本社会が、彼らを追いつめた結果かもしれないのに。と、いつも思います。